10月3日(土)、いわきに来て初めて、遠野満月祭に出かけてきました。
満月祭を知ったのは、3年ほど前、遠野のお蕎麦の名店「うつつ庵」で、素敵なポスターを見てからです。満月にかわいいうさぎのデザインがすばらしく、一度は行ってみたいと思っていたのですが、なかなか行けないでいました。※うつつ庵はおススメです。一度食べれば、そのすごさがわかります。
でも、今回は知人の勧めもあって、出かけてみました。
このお祭りは遠野町の風習「お月見どろぼう」をモチーフにしたお祭りです。
行灯(あんどん)を路沿いに並べて演出する幻想的な月あかりの小道、、お月見にふさわしい古典芸能演奏会、満月を楽しみながらのステージなど、ふるさと遠野の良さをあらためて見つめることができる、町民手づくりの歳時記祭りです。
今回は、事前に実行委員会に電話してから出かけました。会場周辺は道もせまく、人出が多いので、極力シャトルバスを利用してほしいとのこと。県立遠野高校などから会場までバスが運行されています。
シャトルバスを降りると、そこは会場まで延々と続く、月明かりの小道です。
地域の方々や子ども会、小学校の児童などで作った行灯が道を照らします。ちょっとした幽玄の世界でした。
行灯に導かれて、豊作の水田のあぜ道を歩んでいきます。素晴らしいお祭りですね。
行灯には昔懐かしい、うさぎが餅つきをしている童話の絵が描かれたあったり、心温まるメッセージが書かれていたり・・・・じっくり見ているとなかなか歩みが進みません。
ふと、振り返れば、厚いうろこ雲の上に満月が見えていました。
・・・・しばらくしばらく、歩みを進めると・・・・入遠野小学校校庭に作り出された月明かりの広場に出会います。
たくさんの行灯によって作られた光のモニュメントが本当に美しかった。
一つ一つ、子どもたちの手作りです。600個の行灯が使われているそうです。
しばらくすると、子どもたちがやってきて、「あっ!僕が作ったやつ。ここにあったー!」「これ、○○ちゃんのだ~。きれ~い。」など、行灯探し大会が始まっていました。
体育館前には大きな人だかりができていました。笛の音が鳴り響いています・・・・・。
満月のスポットライトを浴びて、篠笛(横笛)を演奏する妙齢の女性。
大野利可さんと坂本真理さんによる篠笛の演奏でした。この日は見事な秋空が広がっており、笛の音がよく響きました。
さすがにプロの伝統芸能です。笛の音の力強さ、幽玄とした響き。満月の夜にはゆったりとした時間に浸るのもいいものだと思わせてくれました。
プロの演奏も素晴らしかった。でも、地元のオヤジさんたちも負けてない。
遠野のオヤジさんバンドSO COOLによるJazzの演奏がありました。 いわき市でもJazzバンドは静かな盛り上がりをみせているようです。一曲々、ギター奏者の方が解説をしてくれて、Jazzの初心者でも楽しめるステージでした。
校庭の柳の木の下では、満月のモニュメントが展示されていました。小さな坊やが興味深々のようです。
お月さまを撮影してみました。カラーノイズがかなり出てしまいましたけどね。こうして、大きく見てみると、満月ではないみたい。ちょっと左が欠けています。
ここで、仲秋の名月について解説しますね。
古くから日本には八月十五日(もちろん旧暦)に秋の澄んだ空に昇る満月を鑑賞する風習がありました。
旧暦では三ヶ月毎に季節が変わり、「一・二・三月」は春、「四・五・六月」は夏、「七・八・九月」は秋、「十・十一・十二月」は冬と分けられています。そしてそれぞれの季節に属する月には初・中・晩あるいは、孟・仲・季の文字をつけて季節をさらに細分されています。
よって、旧暦八月は仲秋というわけです。
みなさんのご覧になった「中秋の名月」はいかがでしたか?