4月末日、新舞子海岸である男を待った・・・・。
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新舞子海岸からは、はるか遠くに塩谷崎灯台が見える・・・・。海は荒れていた。
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震災の津波の傷跡が残る手すり・・・。
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消波ブロックに打ち付けられる波・・・。
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震災前にはこんなに海が近いとは感じなかった。砂浜が小さくなったとここでも感じた。
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風量は十分・・・。しかし、陸から海へ吹き付ける風だった。
陸から海に抜ける風は厄介だ。風量はあっても、風速や風向が安定しないムラのある風になる。安定しない風は、安全な飛行の妨げになるという。
そして、僕の待つ男は来た・・・!
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酒井英治さん。【かもめの視線】の空中撮影家である。
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酒井英治さんは、モーターパラグライダーによる空中撮影をライフワークにしていた。
震災前から、いわきの空を飛び、その美しい風景を映像に収めてきました。
ひとたび空に上がれば、普段地上から見る風景とは違った視点の景色、圧倒的な美しい海と空と街並みが目前に広がる。
その景色は、かもめになったようだといいます。
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フライトの前の整備には余念がない・・・。一つの装置の不具合が命にかかわるからだ。
ちなみに、満タンにすると2時間程度は飛行が可能とのことだった。
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エンジンの始動チェック・・・。よし、順調だ。
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モーターパラグライダーのパワーは圧倒的だ・・・。正面にまわると飛ばされそうだった。
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このレバーでエンジンのスロットルを操作する。
次に、主翼であるパラグライダーのチェックをする。
隣にいるのはTさん。いわきサンシャインマラソンを好タイムで完走するアスリートでもある。
風を捕まえて、パラグライダーを引き起こす・・・。
酒井さんは、パラグライダーの安全チェックをしながら、基本的な操作方法について教えてくれた。揚力を得るための扱い方。右旋回・左旋回をするためにはどう動かすのか・・・着陸時の注意点など・・・事細かに・・・。
「今日は風が良くないかもしれない。やはり、風にムラがあるように感じる。確かめるためにとりあえず飛んでみる。」
そう言って、あっという間に空に上がった・・・。
あっという間だった。
一瞬で空に上がった・・・。
低空を飛行して、 風をつかむ。
モーターパラグライダーは高度1m~600mまで自在に高度を変えることができる。
僕らの頭上を飛びながら、ときおり空中から僕らを撮影してくれた・・・。
本当に、かもめのように自在に空を飛んでいた。
モーターパラグライダーにはこんなに上昇力があったとは・・・。実際に見るまで分からなかった。
まさにカモメだった。
15分ほどのテスト飛行を終える。
やはり上空は風が安定しない。長時間の飛行は安全に問題があるとの決断。
モータパラグライダーは風を捕まえて飛ぶため、風の影響は無視できないんだそうだ。しかも、ずっと飛べない日が続くこともある・・・と教えてくれました。
そんな苦労を続けて、酒井さんが撮り続けた『いわきの海と空と街並』は、DVD「かもめの視線1」「かもめの視線2」に収められている。震災前の美しいいわきが映像として収められている。Amazonで入手することができる。
こちらは、震災後に意を決してフライトし、いわき市の震災被害を収めた記録映像。撮影はつらかったことだろう。
震災前の美しいいわきも、震災で傷つけられてしまったいわきもどちらも見てほしい。
ちなみに、映像の一部は酒井英治さんのオフィシャルホームページで試聴できる。
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最後に、お願いをした・・・。
がんばっぺいわきスナップ撮影です。
この写真も、ユアサミズキ氏のホームページに集約されます。
僕が撮影した、その他の【がんばっぺいわき スナップショット】の記事は、こちらのバナーを押してご覧ください→
さらにお願いして、エンジンを背負わせてもらいました。
普段、僕が背負っているカメラバックと比べてもずっしりと重かった。3倍くらいは重かったような気がします。前傾して支えるのがやっとでした。 (この写真、ずいぶん足が短く見えますけど、おもーいエンジンを背負ったので縮んだんだと思います。(笑))
ちなみに、内緒ですけど・・・この状態でエンジンをかけさせてもらったら、ぶっとびそうに・・・(笑
いや、やっぱり空を飛ぶって、すごいもんですね。
考えてみれば、酒井さんとは交流が長いのに、フライトを見せてもらうのは初めてだったな。