いやぁ、昨日の雪にはびっくりした。
しかし、さすが東北の湘南ですね。お昼近くになるとほとんど溶けていました。
しかし、この時点で、この場所が大変なことになるとは知る由もない。何があったかも明かさないけど。
さて、今日はいわきぼうけん映画祭の2日目を見てきました。
中劇場に入ると、招待上映作品「アートドキュメントいわき 03~05 そして08へ」が上映されていました。
近藤良平さん編集・振付の ドキュメンタリーです。これは2003年~2005年に行われた、いわき市「アーティスト・イン・レジデンス」モデル事業「コンドルズ&いわき市民参加公演」の一環で、いわき市内各所でコンドルズや市民が繰り広げたダンス映像を編集し、2008年にアリオスのプレオープン事業として上映された作品です。
作品中には、旧いわき駅前バス停でのロケや、改札口などが登場し、懐かしくなりました。もちろん、ダンスや演出も素晴らしく、芝居や映画を愛しているひとがいわきにはたくさんいるんだなぁと気がつかされました。
【休憩をはさんで、公募作品(ぼうけん部門)2作品が上映されました。】
今泉力哉監督作品:最低
すごい作品だった・・・。
人に好かれるとか好きになるとか、これをテーマにするかすごいことだな。人を好きになるのは、人が生きていくうえで避けては通れないこと。そこでおこる男女の気持ちのぶつかり合い。わき起こる感情。映画の世界にぐっとひきこまれた。アリオスの会場にも、いろんな感情が渦巻いただろう。ある意味、人間の心の内側をえぐるような作品だったと思いました。
ちなみに今泉力也監督は郡山市の出身で、自主映画を製作し続け、2010年水戸短編映像祭など各地の映画祭でグランプリを受賞しています。2010年「たまの映画」で商業デビューを果たしています。機会があったら見ておいた方がいいと思います。
今泉監督の作品について、ある程度まとまったページがありましたので、リンクしておきます。
「UPLINKニューディレクターズシリーズPresents今泉力哉監督特集~ダメ恋愛映画のすすめ」
塩出太志監督作品:日常エンド
この作品は、日韓海峡沿岸8県市道が主催するコンペティション「日韓ムービーアワード2010」で最優秀賞を受賞した作品です。
この作品の主人公は、ある日突然に予知夢の能力を身につけてしまった不思議な少女。この作品を見ていて、夢と現実が交錯する映像に、どんどんと画面の中に引き込まれていった。まるで、大友克洋原作で映画化されたAKIRAのアニメ作品を見ていたときにも似た感覚を覚えた。なんだよ・・・これっていう感じ。
作品の最後、主人公のたくましいセリフ「運命、変えてやる!」に思わずにやりとした。この映画好きだ…。
【最後を飾る作品、招待上映作品のHAYABUSAが上映されました。】
上坂浩光監督作品:HATABUSA~BACK TO THE EARTH~
皆さんご存知、2010年6月13日深夜に地球に戻ってきた【小惑星探査機はやぶさ】を描いた作品。
カプセルを放出した後、大気圏突入時に輝きながら四散した、探査機はやぶさの本体。そして、すべてが燃え尽きたかに思われた瞬間、その輝きの中から一筋の光跡が抜け出す・・・回収カプセル本体だ!ニュース映像を見て、思わず涙が出たのを覚えています。
この作品は、小惑星探査機はやぶさの冒険を、全編フルCGで再現したものでした。
ドキュメンタリーではあるけれども、はやぶさの開発に関わる秘話などは一切出てこない。はやぶさの長い任務を、はやぶさ自身の一人旅のように描いたドキュメンタリー映画だった。はやぶさ自身が人間であったなら、この旅を終えた今、何というだろう・・・感謝の言葉だろうか。いや、何か違うことを言いそうな気がする。変な感想かもしれないけど、聞けたら面白いと思いました。
【原一男監督のことば】
公募作品の審査結果発表の前に、原一男監督から第1回いわきぼうけん映画祭の開催について、挨拶がありました。
原監督は、ベルリン国際映画祭ほか内外の映画祭において、さまざまな映画賞を多数受賞したドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」の監督です。僕は見ることができなかったのですが、招待上映作品として上映された「タイムカプセル・アドベンチャー」は滋賀県近江市の小中学生とのワークショップの中から生まれたものだそうです。
原監督の挨拶は、ぼうけん映画祭の開催にかかわったすべての方に向けての言葉でしたが、いわき市民すべてへのプレゼントだったように思いました。要約になりますが、紹介したいと思います。
「いわきぼうけん映画祭は今回が第1回です。そこで、この映画祭の未来へ向けて、こうなってほしいという希望を述べて、僕の挨拶としたい。カンヌ、ヴェネチア、ベルリンといった世界3大国際映画祭があります。これらの映画祭は、映画祭自体も作品を出品できることも高い評価を受けています。」
「けれども、これらの開催地はどれも小さな街だった。ローカルな街だった。初めは小さな映画祭だった。でも、世界が認める映画祭に成長した。必要なことは、映画祭の運営側も作品を作る側も、それを鑑賞する人たちも、自分たちの世界が、世界の中心だと思って発信していくこと。行動していくことだ。」
「映画祭は作り手を育てる場でもあり、同時に観客を育てる場でもある。観客が作品を評価し、その意見を作り手が取り入れることで、よりいい作品ができる。作り手と観客の双方が意見交換できる場があれば、もう一度きてみたいと思える映画祭に育っていくのではないだろうか。」
「ところで、いわきぼうけん映画祭には画期的な側面があった。それは、地元をテーマにした作品や、小中学生の子どもたちが制作した作品がこのような大きなスクリーンで上映され、アンケート用紙で評価される機会があったことだ。これは知るかぎり、あまりなかった取り組みで、今後も続けて欲しい。とくに子どもたちが作った映画を上映する機会をもっともっと増やしてほしいと思います。」
以上でした。なんとも厳しいようで温かい言葉でした。もっと映画を愛せ、自分たちの世界を発信していけとエールをもらったような気がしました。
最後に、公募作品のグランプリの発表です。
【公募作品のグランプリとお知らせ】
- 特 別 賞:九鬼正範監督「職務遂行」
- いわき部門グランプリ:高羽勉監督「私立探偵ダイス」
- ぼうけん部門グランプリ:西谷龍二監督「モートラ物産音楽隊」
以上のように、決定しました。
う~ん、実は、わたくし・・・この受賞3作品、どれも見ていません。(だめじゃん)
でも、Wチャーンス!
グランプリ2作品は後日ポレポレいわきで上映されます!
そして第2回いわきぼうけん映画祭は2年後! 楽しみですね。