4月2日(日)、いわき市内の各所にて沖縄市のコザ・インフォメーション・センターの有志による沖縄そばの炊き出しが行われました。
この支援活動は、いわきフラオンパク(2011年2月26日~3月27日予定だった)と交流のあった沖縄チャンパク(コザ・インフォメーション・センター主催)の有志が、東日本大震災に被災したいわき市の被災者を支援したいと立ち上がったもの。コザは沖縄の方言(うちなーぐち)で沖縄市のことをさす言葉です。
古滝屋・里見喜生氏をはじめとするいわきフラオンパク事務局および、ボランティアスタッフによって、現地での動きをサポートしました。
とくさんもボランティアスタッフのお手伝いと、撮影で参加しました。活動を通して、感じたことを写真とともに紹介していきたいと思います。
能満寺と我々を結んでくれたのは、いわき市在住の沖縄文化研究家・新城憲一さん。いわきフラオンパクでも沖縄の文化を紹介する企画展を企画した他、自身のブログでも沖縄への想いを発信し続けている。
いわきに所縁のある高僧・袋中上人が沖縄にわたり、そこで伝えたとされるじゃんがら念仏踊りが沖縄のエイサーに与えた影響など、実に興味深い話をしてくださいました。
考えてみれば、今回の支援活動も、いわきじゃんがら踊り、沖縄エイサーの交流を通して結ばれた不思議ないわきと沖縄の縁によってもたらされたものなのかもしれません。先祖の英霊にも感謝したいものです。
では、コザ・いわきがんばっぺ隊の活動をご覧ください。 ※今回は福島TVの取材クルーも同行されました。
いわきには沖縄料理専門店がいくつかありまして、そのうちの一つ、沖縄料理 宮古島を訪ねてみました。
大将とおかみさんも沖縄そばの炊き出しに参加してくださいました。ところで、このお店は知り合いのカメラマンもお気に入りということで、気になっていたのです。今回は時間がなかったので、お料理をいただくことができませんでしたが・・・次回はぜひゆっくりといただきたいと思います。
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小名浜港を視察しました。
津波被害を大きく受けた小名浜港。写真は3月11日から3週間経過した4月3日の撮影でしたが、今だに大きな爪痕が残っていました。
大津波から3週間が経過し、小名浜の町もできることから、すこしづつ復興に向けて歩み出しています。
江名方面へ向けて自動車で移動。
江名のファミリーマートです。津波は、3mはある堤防をゆうゆうと越えて店にも押し寄せました。
江名海岸沿いの道路を江名小学校に向かって進みます。
江名小学校に到着。
江名地区はまだ断水していましたので、自衛隊による給水活動や支援が行われていました。
石原イカリさん、コザ・インフォメーションセンタースタッフ、沖縄料理・宮古島さんらによって、沖縄そばの調理が始まりました。
これらの沖縄そばは、コザ・インフォメーションセンターのスタッフが、いわき市の避難所への支援物資として、沖縄から運んでくださったものです。避難所では、温かい食べ物が不足しているという情報から、沖縄そばの炊き出しを行う動きが生まれました。
ホールアース自然学校さんの仲介によって、静岡の有志の方から銘茶を届けていただきました。お蕎麦と一緒にお出ししました。ありがとうございます。
コザ(沖縄市)からいわきへ激励のメッセージが届きました。
コザ(沖縄市)からいわきへ激励のメッセージが届きました。大人から子どもまで多くの方がメッセージを書いてくださったそうです。また、沖縄在住の外国の方のメッセージもありました。
江名小学校でのライブがスタート
今回の支援活動にはもう一つの目的がありました。「長くなった避難生活の疲れを少しでも癒したい。ひと時でも笑顔になることで、元気を出すきっかけになると良い。」そういう願いを込めて、楽しい音楽を届けることです。それが願いでした。
喜納高宏さん(左)も石原イカリさん(右)も沖縄でずっと活動してきた音楽家です。今回は、とにかく元気の出る曲を届けたいということから、皆の知っている歌をたくさん演奏してくれました。
上を向いて歩こう(坂本九)/サザエさん(宇野ゆう子)/ゲゲゲの鬼太郎(熊倉一雄)/島人の宝(BEGIN)/涙そうそう(森山良子)/I JUST CALLED TO SAY I LOVE YOU(Stevie Wonder)
以上のように、皆が知っている懐かし歌、優しい音楽でした。
よかった・・・皆さん、少し笑顔が見えましたよ。体育館の外では沖縄そばの炊き出しが始まっていました。
温かい食べ物は身も心も温めてくれます。 (僕は母が沖縄出身で、生まれも沖縄だったので、とても懐かしい食べ物でした。)
子どもたちがサインをもらいに来ました。今回は子どもたちの元気な姿に、とても勇気づけられました。
コザからのメッセージを前に、古滝屋の里見善生さんと記念撮影させてもらいました。
江名中学校へも応援ソングを届けました。
江名中学校へはお昼の時間は過ぎているので、応援ソングを届けることになりました。
避難所には全国から届いた応援メッセージが届けられています。
3月11日は卒業式の準備が終わって間もないときでした。多くの避難所では、卒業式の紅白幕がつるされたままになっていました。この避難所で応援ソングを届けます。
石原イカリさんは、イカリ・ミュージック・スクールで子どもたちに音楽を教えています。いわき市民に元気を届けるとともに、いわきの福島の現実を沖縄の子どもたちに伝えたいとおっしゃっていました。
懐かしい音楽に、人々の顔にも少し安堵の表情が見えました。
平出身のタカエさんがフラダンスを披露。
フラは総合芸術であると同時に宗教的な行為でもあり、日本の能楽と同様、単なるダンスや音楽とはいいきれないものです。祈りの意味があります。ちなみにフラを学ぶための教室をハラウ、フラの教師をクムと呼んでいます。
サザン・オールスターズの音楽に合わせて、フラが踊られました。いわき市はハワイアンズがあり、フラガールの町です。皆、懐かしい踊りに少し、元気が出たようです。
避難所には全国からの支援物資等、たくさんの善意が届いているようでした。しかし、体育館は大部屋ですから、プライバシーがどうしても・・・。そして、やはり毛布をひいていていても、夜になれば底冷えするのではないかなと心配になりました。高齢の避難者の方にはやはりつらいのではないかなと思いました。
小名浜高校へも応援ソングを届けました。
小名浜高校体育館も避難所になっています。小名浜高校では、長期化してきた避難生活のストレスを和らげるため、ダンボールで簡単な壁を作って、最小限のプライバシーを守っていました。
ここでも応援ソングを届けました。小名浜高校では少し若い方が多かったので、若い人になじみ深い歌も多めに歌っていました。
支援物資の毛布、衣類が真ん中に集められていました。みんな分け合って、助け合って暮らしていることが分かります。
沖縄のお囃子、イーヤーサーサーの合いの手も皆さんからいただきました。本当に避難所の方の笑顔に、逆に僕たちが元気をもらいました。
I JUST CALLED TO SAY I LOVE YOU(Stevie Wonder) を歌いながら、沖縄のお菓子を手渡し、握手を交わしていく喜納さん。「握手した温かい手のぬくもりに、元気をもらった。」と言っていました。
ペットのわんちゃんもまったりとしていました。
タカエさんも、元気を笑顔を取り戻そう・・・とフラで応援します。
小名浜高校の皆さんはフラを習ったことのある方も数名いて、久しぶりにフラを見て元気が出たと言っていました。
思わず体が動いちゃう・・・。一緒にフラを踊ろうよ。
とても名残惜しかったのですが・・・・最後の訪問地、平工業高等学校に向かうため、小名浜高等学校を後にしました。
最後の訪問先、平工業高等学校にて炊き出しの準備
時間は夕方4時ごろです。江名小学校での炊き出しに参加していただいた方が駆けつけてくださいました。大人から子どもまで50名近くの方がこの炊き出しをサポートしてくださいました。麺をほぐし、1食分づつどんぶりにとりわけているところです。
沖縄のお菓子も提供しました。子どもたちに人気でした。
140食は用意しました。ところで、避難所によっては調理用のガス器具が届いていおらず、火を使った温かい食べ物が提供できないことがありました。この平工業高等学校でも同様で、ガスが使えるようになったのは昨日のことだったそうです。(※4月3日の時点での情報です。)
温かい食べ物を食べれないことは、避難生活でつらいことの一つだったと思います。
沖縄そばに乗せるソーキ(豚の三枚肉の煮込み)の鍋。とてもおいしそうです。軟骨のコリコリしたところがなんとも言えないんですよね~。
武道場で、最後の応援ソングを届けます。
沖縄の皆さんからお寄せいただいた、応援メッセージを紹介させていただきました。 拍手で迎えていただきました。ありがとうございます。
最後の応援ソングに熱の入る喜納さんと石原さん。今回の旅はいろいろな迷いがあったけれども、いわきとのつながりが確認できて良かったとおっしゃっていました。
会場の皆さんからは、楽しそうな笑顔が・・・。とてもうれしいです。僕たちも元気になる。ありがとう。
やっぱり子どもたちこそ、我々の希望であり、宝だと思います。
子どもたちへはお菓子と文房具のプレゼント。そして、一人ひとりと握手を交わしました。
来年また開催されるであろう、いわきフラオンパクに喜納さんも石原さんも必ず参加すると約束してくれました。
復興に向けて、がんばっぺ、いわき!
応援ソングが終わると、体育館の外では沖縄そばがふるまわれていました。
温かい食べ物に皆さん、ほっとした表情を浮かべられていました。記念写真を撮影させていただきました。ありがとうございました。
最後に、新城さんの仲介により、袋中上人と所縁の深い菩提寺に行くことができました。
本堂に上がらせていただき、お線香を上げさせていただきました。
もしかしたら、袋中上人が引き合わせてくれた縁なのかもしれません。
寺務所には、新城さんの沖縄研究の常設展資料が所狭しと置かれていました。公開が先になってしまいましたが、落ち着いたころに改めて展示会が行われることを願います。
そして、またコザ(沖縄市)でいわきで、再会できることを願って、集合写真を撮影しました。
このような支援活動は、いわきをはじめ東北のいたるところで、さまざまな団体によって行われています。僕たちのことを本当に多くの方が考えてくれる、支援してくれていると思うと、感謝の念にたえません。
本当に皆さんありがとうございます。
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とく様、こんばんは。当日はお疲れ様でした。暖かい沖縄そばとMrスティービーの歌声が避難所の皆様に届き嬉しく思います。
沖縄といわき市は袋中上人他幾人もの縁で結ばれています。とく様のお母様が沖縄の方であると知った時は、これも袋中上人さんの縁かと思いました。今までも、沖縄の色々な方々と不思議な縁で知り合っており運命的なものを感じています。
それにしても、人々の笑顔や感情が良く撮れた写真ばかりで流石です。写真は人に思いを伝える事の出来る重要なアイテムだと思っていますので、これを見てくれた方々に色々なものが伝わってくれると思います。
では私も・・がんばっぺいわき!
スポッツ
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コメントありがとうございます。
そうですね、たかが写真、されど写真です。想えばしっかりとメッセージをのせることができると信じています。
迷うことも多い世の中ですが、迷いながらも歩いていこうと思っています。