6-dim+ 小名浜UDOK. にて公演~人と人のつながりで紡ぎだされるドラマ~

2011年7月30日(土)、小名浜のUDOK.にて、いわき市出身の俳優・ダンサー=カタヨセヒロシが座長を務める6-dim+が公演を行った。
座長のカタヨセヒロシとは不思議なつながりがあった。ある土曜日、急な撮影依頼があった。内容は、いわきで即興芝居のステージを行う予定でいたのだが、当日になってカメラマンに不都合が生じた。
代打の撮影になるのだが・・・お願いできないだろうかと。これは大変弱った・・・即興芝居は見たことがなかったし、ぜひにも撮影したかった。けれど、残念ながら、当日はすでに約束が入っていた。喜納昌吉氏の沖縄 福島 ゆいまーる祭りだ。
追加公演がないものかと、悔しがっていたところに・・・今回の公演だ。
公演当日を首をなが~~~~くして待ち、期待に胸膨らませつつ、会場のUDOK.を目指した。
第1部.即興芝居

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即興芝居は、台本やシナリオが一切ない。俳優は、台本やシナリオにある人物を演じるのではない。目の前の相手の動きに応じていくことで、創りだされる物語。そこに登場するキャラクターは、俳優の中から生まれるさまざまな人格と言えるだろうか。ときとして、予想もしないキャラクターが現れる。しかし、滑稽でありながら、どこかとてもリアルなキャラクターであるように思える。
直後の展開すら誰にもわからない。それがなおさら目の前で展開される物語に聴衆を引き込んでくれる。


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今回の会場は小名浜のUDOK.だ。ござに座布団ではあったが、多くの聴衆で満員となった。
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ステージは何本かのショートストーリーで展開されるが、さまざまなアイデアが組み込まれている。1本目は、あるNGワード(単語ではなく、50音のうちの任意の一音)が設定されており、それを言ってしまうと、退場しなくてはならないというルール。このルールによって、ゲーム性が生まれた。意外性が与える面白さだと思う。
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ときには、観客もステージに上がり、登場人物の一員となる。この自由さも即興芝居の面白さと言えるだろう。
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6-dim+のステージは、ミュージカルとコメディーと中間との触れ込みだったがどうだろうか。シナリオや台本が用意されていないぶん、計算された物語の展開や練りこまれた登場人物をしっかり見せるというものではない。しかし、俳優の中から生まれたキャラクターがいきいきと物語を動かしはじめると、とたんに面白くなる。
誰かが物語を脱線させる・・・、その道で突き進み続けるのか、別の方向へ動かすのか。選択しなくてはならない。
そこで選択されたことによって、物語が大きく動くさまがとても面白い。
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座長のカタヨセヒロシ、故郷のいわき市での公演には、熱烈な想いがあったことだろう。
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このステージには伴奏が付けられていた。けっして主張するではないが、的確なBGMや効果音を創りだしていた。素敵なステージ作りの立役者です。ありがとうございました。
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第1部の終了。この日のお代は投げ銭。観客が気持ちを鍋に入れていくというものだった。『お代は見てのお帰り』というわけだ。
第2部.即興芝居座談会
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第2部では、芝居についての座談会が行われた。
今まで即興芝居を行ってきて感じたことなどが語られ、芝居の面白さを伝えたい気持ちがじわじわと伝わってくる。しだいに、今日のステージについて振りかえる話題になった。
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観客からも今日の感想が伝えられる。その中で、「今日見た即興芝居は、俳優が役を演じるのではなく、俳優の中に眠っている個性があらわれる芝居だった。これこそが、芝居の原点なのではないかと感じた。」との感想があった。とても印象的な言葉だと思いました。
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以上、6-dim+の芝居をご紹介しました。またの機会がありましたら、ぜひにも参加したいし、多くの人に見てもらいたい芝居でした。
なお、このあと、スタッフ関係者での後片付けと、打ち上げをUDOK.でそのままやりました。そこでも、いわきから震災復興にかける想い。芝居や芸術についてなどさまざまな話題で盛り上がり、それは夜の1時頃まで続きました。(とくさんは日付が変わる前に帰宅しましたが…。)こちらも楽しかったです。ありがとうございました。
6-dim+(ロクディム)
即興芝居・即興コメディを中心に、即興パフォーマンスを展開している、男7人による「即興パフォーマンス・ユニット」。関東地方の小劇場やスペースなどで公演を続けている。主宰のカタヨセヒロシは1978年いわき市生まれ。日本では珍しい「コンタクトインプロ」のダンサーとしても知られ、東京を中心に、福岡、熊本、宮城、島根など各地で積極的にダンス公演に出演している。