素敵な港町『小名浜・江名・中之作』をめぐるサイクリング。自転車は行動力をぐ~~んと広げてくれます。

10月某日午後、中之作の散策に続いて、小名浜・江名・中之作をめぐるサイクリングに参加しました。

こちらも中之作プロジェクトの企画だ。
いわき市に残る歴史のある町並みをカメラを片手にサイクリングします。
近年、いわき市でも自転車が愛好されるようになってきました。
その背景には、自転車で風を切って走る楽しさ・爽快感ももちろんですが、自転車が持つ機動力で行動の幅がぐーんと広がることにあると思います。
いわきには素晴らしい物がたくさんあります。自動車で移動していたら気が付かないものも、自転車の速度で走れば見つかることがたくさんあるんですよ。
では、一緒にサイクリングの旅に出かけましょう。
なお、今回の撮影は、Canon 5D Mark II ではちょっと重かったんで、Olympus Pen Lite E-PL3 を使っています。

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(写真は、小名浜UDOK近くにある鯨岡の肉店倉庫に描かれたオクリエ、カツオのデザインが光輝いて見える。)

小名浜臨海工業地域を走り抜ける。

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スタート地点は小名浜のUDOK。そこから小名浜港の臨海工業地域を走り抜ける。
ここには多くの工場がひしめき、工場愛好家にはたまらないスポットだ。
潮風を切って走る爽快感に包まれる。自動車でのドライブとはまた違った楽しさがある。
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震災を乗り越え、再開した環境水族館アクアマリンふくしまを横目に、江名方面へ走る。 アクアマリンふくしまの復興への足取りはスタッフブログ(アクアマリンふくしまの復興日記)で見ることができる。ぜひごらんいただきたい。


小名浜・古湊周辺を走る。

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錆びついた煙突が立つ建物・・・年季を感じる木造建築だ。この地区には古い木造建築がある。
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しばらく走ると、小名川にかかる橋が見えてきた。小名川は小名浜港から引き込まれている川だ。
ちなみに小名川はmomo(もっと おなはまを もりあげる おーがないぜーしょん )のsanpophotoで何度か取り上げられてきた撮影地だ。震災前の生き生きとした写真がそこにある。ぜひ見てほしいと思う。
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我々は橋を見たら、渡らすにはいられない性分のようです(笑) コース上は特に渡る必要はないのですが、とりあえず自転車に乗ったまま渡ります。この橋は小名浜中通橋というのかな。
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ほらね、僕も渡ってみたけど・・・また引き返すんだ(笑
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市営小名浜魚市場を右手に見ながら、一行は永崎海岸を目指した。
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さて、ここで一休み・・・絶景ポイントがあるんだ。
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こちら弾丸だんじりファイター。 スナップ撮ってみたらかっこよく撮れたので、掲載させてください。
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どうでしょう。この絶景。海はどこまでも広く大きかった。
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潮風が気持ちいい。海は癒しを与えてくれる。
しかし、震災前よりも砂浜が狭くなり、波が近くなったように思います。地盤沈下の影響があるのだといわれています。
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永崎海岸のスーパー『ショップ永崎』を通過。
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一枚でも写真撮っておけばよかったかな。ショップ永崎は長崎海岸にある個人商店。
店構えはコンビニのようだが、チェーン店ではない。311の津波は店内を抜け、商品はすべて流されたという。しかし、店内に溜まった土砂を店員の皆さんでかき出し、なんと5月には再オープンさせていた。本当に頭が下がる。

風船爆弾の記念碑「忠烈護空」

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長崎海岸には、『忠烈護空』と刻まれた石碑があった。もちろん戦時中の石碑だ。忠烈とは極めて熱い忠義心のこと。忠烈をもって空を護る。決して日本の空を自由にはさせないという決意でしょうか。
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石碑の裏には爆弾のオブジェがありました。浮標水雷罐というようです。わかりやすく言えば、機雷・・・海面に浮かべて戦艦や空母の侵入を防ぐものです。詳しいことはわかりませんが、いわきにも戦争の悲しい歴史があったことを物語るオブジェとなりました。戦争の災禍をふたたび繰り返さないようにしたいです。
なお、石碑はこのように爆弾に立てかけてあったわけではなく、震災によって倒れてしまったようです。震災前の写真は、いわき市の歯科医「酒井歯科医院」のこちらの記事でご覧になれます。
江名港の灯台

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灯台を遠くに見ながら・・・道路は地震による地盤沈下でひび割れが目立つ。
いわき市内の道路はまだまだ元通りにはなっていない。
江名の町を見守ってきた諏訪神社にお参り

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諏訪神社は江名の町を一望できる高台にある。自転車で上るにはちょっときつい坂道だ。
一生懸命押して、諏訪神社を目指しました。
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ついてみると、石で造られた明神鳥居があった。何とも大きい。高さが30mはありそうな大きな鳥居だ。震災によって崩れてしまってはいるが、これだけの鳥居を作ることは並大抵のことではない。力のある氏子さんがいたのだろうか。
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社殿もでかい!この小さな港町にこれだけ大きな神社がある。町の大きさは小さくても、この地域の人々は漁業や交易で富を築いたのだろう。当時の繁栄がしのばれる。
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社殿に施された彫刻はどれも見事・・・これだけの彫刻がされた建具は、他でもなかなか見ることができないのではないだろうか。
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獅子の彫刻・・・。いや、狛犬かな。
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睨み龍の彫刻。見事な彫刻だが、それが何体もあった。これだけの彫刻を彫り上げるのには、どれだけの時間を要するのだろう。
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一同それぞれに、震災からの復興を願いました。それぞれの復興があると思います。神社脇にも小さな社がありました。こちらにも立派な彫刻が施されていました。
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社殿から、夕焼けに輝く江名の町を見渡してみました。住家や海産物を取り扱う問屋さんなどがひしめいていました。
江名・中之作港を自転車で走る
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波止場を自転車で駆け抜ける・・・もう少しで、中之作の素敵な港が見渡せる場所に出ます。
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大きな船が係留されていました。目指す港はもうすぐです。
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でました。中之作港・・・中之作港を裏から見る形になります。
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どうですか。港から住家がとても近い中之作港です。人々の暮らしと港がつながっている静かな港町です。
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この日は、魚釣りを楽しむ若い人たちが1組と、僕たちが港にいました。静かな時間が流れていました。潮風を感じながら、歩くのはとても気持ちがいい。
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海に目を向けると、テトラポッドのすぐそばまで波が来ていました。震災以降、本当に陸地と海が近くなった気がします。
江名港から小名浜へ向かって戻るぞ

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スタート地点である小名浜のUDOK.に向かってもどります。なんだかここまで来ると、充実感で満たされていましたよ。
八大龍王尊の石碑に立ち寄る

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八大龍王は、天竜八部衆に所属する竜族の八王です。法華経に登場し、仏法を守護しています。インドの蛇神の諸王であるナーガラジャを起源としており、仏教にとりいれられて八つの龍王となった。それぞれに様々な伝説をもっています。
もともと龍は感情が天候に影響するとされている。怒ると干ばつになり、なだめられると雨を降らす。
八王を祀ることで龍神を鎮め、平穏な海を保とうとしたのかもしれない。
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まわりに柵はありません。海がすぐ近くなので注意が必要です。決して浅くはなく、潮の流れも速い。見学なさる方は気を付けてください。震災前は柵がなくてもそれほど危険を感じない状況だったのでしょう。しかし、地盤が沈下していますので、海面が上がっています。本当に注意が必要です。
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三崎公園にそびえるマリンタワーが見えます。もう少しで日が落ちます。素敵な時間です。
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あ!三崎公園、マリンタワー・・・・ここから行けない距離ではないですね(笑
せっかくだから、三崎公園の激坂を登ろう!

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そうです!思い立ったら行かずには居られません。三崎公園まで来ましたよ~~~!!
みんな意地でも自転車から下りないぞ。全員、自転車で坂を上り切りました。
とくさんはみんなが登ってくるのを撮りたかったから、ちょっと頑張ったよ。ダッシュで登る~~。
このきっつ~~~い坂はサンシャインマラソンのコースでもあります。
三崎公園は小名浜港に沈む夕日を見れるステキな場所もあります。

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いいでしょ? ステキなサンセットですよね。夏はここから小名浜の花火見れたら最高じゃないかなぁ。
この坂を下った先には素敵なカフェもあるんです・・・それはまた別の機会にご紹介します。
小名浜港からみるアクアマリンふくしま
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小名浜港から見るアクアマリンふくしまです。静かな静かな海です。
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素敵な自転車の旅でした。だいたい19㎞くらい走ったのかな。
カメラ片手に自転車のたびは初めてだったけど、行動範囲、撮影の視点の広がりを感じました。
自転車とカメラはなかなか相性がいいですよ。それに、Pen Lite E-PL3の使い勝手の良さも感じることができました。収穫の多い旅でした。
今回のような町歩きを目的としたサイクリングイベントは、今後も中之作プロジェクトで企画されていくことと思います。ご興味を持たれた方、ぜひ一緒にどうですか?参加をお待ちしています。
参考リンク
中之作プロジェクト(カメラ片手にサイクリング)

3 Comments

  1. SECRET: 0
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    センスのいい写真ですね。
    撮る人によって、こんなに違うからとても不思議です。
    また見に来ます

  2. SECRET: 0
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    海星のちょっと先ですね。
    自分が学生の頃から好きな場所です(^^)
    ショップ永崎は「星守る犬」という映画でロケに使われましたよ~。

  3. SECRET: 0
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    >kazuさん
    コメントありがとうございます。そうでした~。星守る犬・・・まだ見てませんでした。よし、2月12日が過ぎたら見ようかと思います。
    >お名前さん
    お褒めいただき、ありがとうございます。
    でも、本人はまだまだへたっぴだな~と思っています。なんというか、もう少し注意力を発揮できると、もう少しよくなるのに・・・といつも撮影後の写真を見て思います。精進します。

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