江名の港町=中之作で今年も変わらずつるし雛が飾られました。

2月4日~6日までいわき市江名町の中之作でつるし雛が飾られた。

いわき市でも古い港町、中之作が多くの人でにぎわうお祭りだ・・・。
はやる気持ちはあったが、まずは港周辺を歩いてみることにした。
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中之作港は、入り江を利用した漁港になっている。中之作港の湾岸を見渡してみた。東北の沿岸部では漁ができなくなった。沿岸部はここと同じように、漁船は数えるほどしか停泊していない。
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消波ブロックで防潮堤が補強されている、ここを歩いて灯台まで行くことができる。 
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磯鵯(いそひよどり)がいました。ヒヨドリと名前がついてますが、ツグミの仲間です。 ちなみに、沖縄ではヒヨドリといえばこの鳥のことで、普通にヒヨドリと呼んでいます。オスのこの配色は美しいですね。   
 
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堤防を歩いて、灯台へ・・・。
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これが江名港の灯台。今まで江名港の漁船と人々の暮らしを見守ってきました。 
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防潮堤には、漁船を停泊するためのザイルかな?丈夫な縄がかかっていました。
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船をつなぎとめていた道具がたくさん。赤く深い錆びに長い年月を感じました。
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江名の港から中之作の『清航館』を望みます。大漁旗が目印です。 大漁旗は漁の安全、船の安全、人々の安全を祈るものでもありますよね。
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僕は・・・信じています。きっと長い時間がかかることでしょう。それでも必ずいつかこの漁港がかつての賑わいを見せてくれることを。いわきの、広くいえば東北の人々の本来の暮らしぶりが、経済的にも文化的にも取り戻されてこそ、真の復興だと思います。
それまで、いかにして日々の暮らしを支えていけるか、そのことで行政が果たすべき役割や、僕たちでできることは何か。今後も考えるべきことじゃないかな。
中之作の『清航館』に到着
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清航館は江戸時代に建築された築200年以上にもなる商家、この建物も震災により解体撤去の危機にありましたが、改修・保存されることが決まりました。改修後は地域のコミュニティーセンターのような使い方も検討中とのことです。
なお、改修作業は『中之作プロジェクト』として、誰でも参加できます。詳しくは『中之作プロジェクト』の公式ホームページをご覧下さい。
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ついてみたら、ちょっとこの賑わいは・・・たいしたもんです。和服や端切れ、雑貨の販売や、喫茶などさまざまな出店がありました。
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軒先につるし雛。
つるし雛は、女児の無病息災と良縁を祈って、作られるものです。ひな壇の脇に飾られることも多いのですが、庶民の間ではひな壇を略して、つるし雛のみ飾ることもあったそうです。庶民の雛飾りということができるでしょうか。
中之作では『ままや』さんで教室を開いており、生徒さんたちが一つ一つ気持ちを込めて製作しました。


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今に伝わる雛飾りは、桃(長寿)、猿っ子(魔除け)、三角(薬袋香袋)を基本として50種の細工があります。
これらを5列の赤糸に各11個の細工をつるし、計55個にそろえ、これを対で製作することにより110の細工がつるされたものが基本型とされています。一般に直径30cmのさげわに170cmの長さで吊るされます。飾りの数は、縁起物なので割り切れる数字(偶数)を避けて、3、5、7、9などの奇数で組み上げられます。
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可愛らしいつるし雛がつるされた赤い糸がピーンと張られている。ここにも美しさを感じました。
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つるし雛を手にとって眺める人々。皆さんそれぞれにお気に入りのひとつを探したと思います。
清航館からは海を臨むことができます。
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たくさんのつるし雛の中からお気に入りを選べといわれたら、僕はこの『にわとりの親子』です。
こっけー、ぴよぴよ・・・にぎやかな泣き声が聞こえてきそう。にわとりはたくさんの卵を産む、ひよこも孵る。子孫繁栄の意味からも素敵ですよねー。
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今回は(株)ethicafe(エシカフェ)さんがコーヒーを出していました。
僕は、(株)ethicafeさんの取り組みで、はじめてフェアトレードという考え方を知りました。
公平な貿易という意味で、発展途上国の小さな農家や貧しい農園労働者の暮らしを守るために、60年代にヨーロッパで始まりました。国際貿易の中で、農作物の不安定な価格変動や仲介人に利益を取られ、生産者や労働者が十分な収入を得られない。その結果、子どもたちは教育を受けることができず、貧困から抜け出すことができない。
そのようなことがないように、適正な価格を決めて正当な取引をする。生産者で組合をつくり、適正な取引をする会社をフェアトレード会社といいます。なんだか、フェアトレードは流通のしくみを見直し、より良い社会づくりを目指すことなのかなと思いました。
(株)ethicafeさんが扱うのは、人の手で一粒ひとつぶ大切に摘み取られた、有機無農薬栽培のコーヒー豆。いいものを安心して届けたい。きっとそんな願いが込められているのかな。代表は吉永早夏さん。ホームページは以下のリンクです。ご興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。
(株)ethicafe‐世界中を笑顔で満たす
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さんまのぽーぽー焼き風蒲鉾のチラシ。さんまのぽーぽー焼きはいわき七浜の特産品で、さんまをすり身にして、しそやしょうがと混ぜて焼く、いわば“さんまハンバーグ” 。素朴な味わいです。
それを手軽に楽しめるように、蒲鉾にしました。お問い合わせは以下のリンクよりどうぞ
株式会社 貴千-海を中心とした食のつながり、人のつながりを大切に、まごこころを込めておいしい海の幸をお届けします。
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この日は和服も販売。掘り出し物価格で大好評。だって、2着で1000円ってありえないでしょ。
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和服の端切れも販売してました。和裁の素材として欠かせません。
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『清航館』は大変なにぎわいで、古民家改修についての関心の高さを感じました。これからは改修のワークショップも解されていくと思いますので、情報をつかんだら、当ブログでも紹介していきます。
ままやさんのつるし雛
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つるし雛祭りになると、中之作の町一帯でつるし雛が飾られますが、特にたくさん飾られているのは「ままや」さんです。
ままやさんは、つるし雛や和裁の教室も行っていて、地域のコミュニティーの一角を担っています。
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本当に、さまざまなつるし雛があるものです。ままやさんの中にも、つるし雛やお雛様があります。ちょっとみてみま
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ままやさんでは、パッチワーク、ちりめん細工教室を開催しています。お問い合わせは、代表の中川敬子さんまで、お問い合わせください。
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ぶらーっと歩いてみましたけれど、いつの間にかなくなってしまった、空き地になってしまった、建物がなくなって、海がすぐ見えるようになってしまった、そんなところが中之作にはたくさんあります。
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これから、長い年月をかけてにぎわいをとり戻していくことになるんだろう。せめてそれを見守っていきたいと思いました。