中之作プロジェクト「みんなで民家直してみんか?」をご紹介。

さる7月30日、中之作でひとつの出会いがありました。

僕はそれまで、中之作という港町について、つるし雛という文化も残す港町ということは知っていました。
(333:
伝統美・中之作の川岸地区のつるし雛(ひな)を見てきました。2011.02.09 | いわきのイベント)


しかし、それしか知らなかった。古い町並みを残す港町という認識しか持ち合わせていなかった。
中之作は漁猟で栄えてきた港町、そこには素敵な古い建物が多くあり、それらが震災の影響などにより失われつつある。
今日の記事に書く、建物は築200年になろうかという商家。
この建物も津波・地震被害による解体の危機にあった。
しかし、小名浜の
建築家・豊田善幸氏の活動により、保全の方向へ向かいだした。
その活動「
中之作プロジェクト」を紹介したい。 
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場所は、中之作港からほど近くだった。そこに年代を感じさせる建物があった。
庭先では、小名浜のかまぼこ職人であり、絵描きの高木市之助氏がスケッチをしていた。
取材から月日が過ぎ、紹介が遅くなったが、この記事は今後もシリーズでお送りしていきます。
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建物の中に一歩足を踏み入れると、素晴らしい広々とした広間が広がっていた。
3月11日の津波で浸水したが、中之作プロジェクト・サポーターの手により、すでに清掃が始められていた。
泥や瓦礫はずいぶん運び出され、取り除かれていた。



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地震によって多少壊れてしまっているが、見事な据え付けの建具があった。
そして、収納を兼ねた階段があった。 古い建物は機能的に作られているものだ。
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2階を見学

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2階は合宿や宿泊にも使えそうな小部屋があった。
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光がじゅうぶんに差し込み、風通しの良い部屋。天井は低いが、不思議と圧迫感はない。
居心地のいい空間だ。ここで読書をしたり、絵をかいたりして過ごすのも素敵だ。
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畳敷きの部屋には、床の間も作られていた。
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床の間には螺鈿細工があしらわれている。交易で手に入れたものだろうか。
この江名・中之作という地域が港を中心として、栄えたことが推測された。
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壁にあしらわれた家紋・柱に打ち付けられた鋲・天井に直付の蛍光管・配線に使われている絶縁体・・・時代(とき)の流れを感じる。

1階を見学

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何時間でも居れそうな素晴らしい2階だったが、1階も見させてもらった。居間の奥には仏壇があった。
こんな仏壇がある家も今では少なくなったと思う。
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奥には、小さな部屋があった。清掃の手が入ったなかでは、ここは津波の被害を残していたように思う。
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しばらくすると、豊田氏が津波の漂着物や土砂を床下から撤去するため、床板を運び出し始めた。
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海水に浸かってしまった畳は腐ってしまっているのか、ぐずぐず・バラバラになっていた。こうなると修理は難しいだろう。
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台所、水回りは津波が浸水したため泥だらけだった。 これだけの広さの建物だ。
すべて清掃するのは並大抵の苦労ではない。
しかし、サポーターは皆、楽しみながら黙々と掃除をしていました。
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ここにも素敵なアイテムが・・・素敵ポイントが満載ですね。
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ざっと建物の撮影をさせていただいて、とくさんも少しだが掃除の手伝いをさせていただいた。
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電燈をつけているわけではないのに明るさがある。振り返ってみると、光を取り込む工夫がされているのがわかった。
休憩時間のワンショット

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今回、この古民家お掃除ワークショップを開催してくれた豊田善幸氏。
じゃんがら念仏踊りの練習用太鼓でパフォーマンス。
満面の笑みだ・・・。でも、あれ!?バチがちょっと・・・。お茶目で気さくな方でした。
今後の中之作プロジェクトについて

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写真は、今後の修繕課題について話す豊田氏。
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今回の中之作の家お掃除ワークショップに参加させていただいて、実に多くの気づきと発見をさせていただいた。
残念だが、古き善き建物は自然には残ってはいかない。
人々が町を、家を愛し、手入れをし、残そうと思っていかなければ、残っていかないものなのだ。
この中之作の家は、中之作プロジェクトとして、残されることとなった。
この建物は修繕が終わった後は、個人の所有物としてとどまることなく、様々な目的に使用していく予定とのことだ。
興味を持たれた方にお願いがある。

中之作プロジェクトの公式サイトをぜひ見ていただき、趣旨に賛同いただける方は、サポーターとして参加してほしい。
・・・というより、参加したほうが楽しいよというお誘いかな。
僕も参加していくつもりなので・・・この記事は続きます(笑

2 Comments

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    そうです!
    みんなで応援したいですね。コウシンさんありがとうございます。

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