2012年3月25日(日)、三菱住友大阪セメント工場(操業終了・田村市)で、おそらく最後の撮影会が行われた。

この日はいわきフラオンパクの最終日だった。
撮影は、操業が終了したセメント工場の建物の撮影だ・・・。
1963年(昭和38年)6月に磐城セメント株式会社の田村工場として操業を開始し、1994年(平成6年)10月 – 住友セメントと大阪セメントが合併、住友大阪セメント株式会社となった後、2000年(平成12年)の3月 – 田村工場が閉鎖されるまでの37年間、操業されてきた。
高度経済成長を支えた産業遺産として、大きな価値を持つ。
事業閉鎖後から、徐々に解体作業が進められ、今年度中に解体されてしまうという。写真に残すとなれば、本当に最後になるかもしれないタイミングだった。
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(上の写真は今回の撮影会に参加された方のTOYカメラ(ロシア製)。とても面白い絵が撮れる。)

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建築物の撮影というものは、ほとんど経験がなかった・・・・つまり、今回が初挑戦である。
ご興味のある方だけ、ご覧ください。その際には、大目に見てくれるとうれしいな。


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一歩、足を踏み入れれば、そこは異空間・・・。しかし、ここも12年前はたくさんの作業員であふれていた現場だ。
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人気のなくなった工場は、どこか寂しさを漂わせていた。
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重そうな鉄扉の向こう側には、どんなものがあるのだろうか。
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薄暗い部屋の中でかすかに見える、様々なモノたち。
それぞれは息をひそめて、また使われる日をずっと待っている。・・・そんなふうに感じた。
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写真では、伝わらないかもしれないが・・・とにかく巨大。巨大な建築物の数々だ。
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荷揚のためのクレーンが各所にあった。機械はもう外されてしまっているようだが、これで引き上げられていたんだろうなぁ。
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まるで、映画やゲームの世界で登場しそうな建築物。
実際に、映画『ゴジラ』や、浜崎あゆみのプロモーションビデオのロケ地として使われたことがあったといいます。
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内線527番・・・NEC製の黒電話。
受話器を取ったら、過去からの電話がかかってくるかな?
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住友大阪セメント株式会社による管理地です。今回は許可を取って撮影しています。
お昼近くなったので、事務棟に移ってみます。
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機械を制御するコンピューターなのかな?時代を感じる。この田村工場の操業開始が1994年だもの・・・もちろんパーソナルコンピューターがない時代じゃないけど、ハードもソフトも専用に設計されたもので動かす時代だったと思う。きっと。
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ヒーターはガスヒーターだ。なんだか懐かしいぞ。
ちなみに田村市は福島県でも雪の降る地方。冬の暖房施設は必需品だ。
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待合室・講義室に使われた、小ホールは大きな窓がいい感じ。差し込む光が優しく、暖かい・・・。
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今回は、10名の定員で企画がスタートしたが・・・、最後の撮影会になるかもしれないとのことから、可能な限り、参加受け入れしていったところ、なんと県内外から40名を超える参加者が集まった。
県外からの参加者も多く、福島県・田村市の魅力を発見してくれたことと思う。
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これ?さっきのガスヒーターと壁の間に何かいるんじゃないかと思って、撮影・・・。工場の精でもいたらいいな。
昼休み、終了。撮影再開。

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トロッコか、ベルトコンベアーのレールだ・・・。何かを運搬したのは間違いない。どんな動きをしていたのかな?
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水槽が広がっていた。まるで、なんだろう・・・ぼーっとしていたら、湯船に思えてきた。
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素敵な色だ・・・。
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上を見てみた。
声をかけられた・・・とくさん、ちょっと一緒に回りましょうか。
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今回のコンダクター齋藤 磨さん(右)と、フォトグラファーの安藤瑠美さん(左)
齋藤 磨さんは遺跡や遺構に詳しい面白い人。博学な方で、僕にいろんなヒントをいつもくれる。
フォトグラファーの安藤さんとは初対面。なのに「面白いことやって」とお願いしたら、こんなポーズを付けてくれた。
彼女は東京都の『夢の島』をライフワークとして撮影するかたわら、WEB制作業に携わっている。ぜひ、彼女のWEBサイトで作品をご覧になってほしい。僕は、夢の島をよく知らなかったが、このようなところだったかと・・・。写真の中でだけど『夢の島』に出会うことができた。
Rumi Ando
http://www.rumiando.com/
齋藤 磨さんの案内でさらに奥深くへ・・・。
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なんと巨大な機械だろう・・・どんなふうに使うのかもよくわからないが、まるで蒸気機関車を思わせるような、スケールと迫力だ。
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でかい・・・・。人間はこんな大きなものを作ってしまうんだな。
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フォトグラファーの肖像。
フォトグラファーが撮影する写真はどれも素敵だ。それはもちろん撮影してるフォトグラファーだって、かっこいい。だから、撮りたくなってしまう。僕の周りのフォトグラファーは、お互いに撮ったり撮られたりする。言わないけど、たぶんそう思っているからだと思う。
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日が入り込まない、日陰に入ると・・・水が氷になって溶けることがない。
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じっとしていると、時が流れてることすら、忘れてしまいそうだ・・・。静寂で何も音がしない空間。
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以上で、工場の撮影はおしまい。
この標語は、燃費向上は節減だぞ・・・ということかな。不用意に、無駄な燃料を使わないことという戒めだろうね。
なんでも便利に、使い放題な現代人にもあてはまることだよね。
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写真は、今回のコンダクターをしてくれた齋藤 磨さん。福島県田村市への愛を全身で表現しているところです。
本当に、様々な企画でお世話になりました。ありがとうございました。
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参加した皆さんから、色紙の寄せ書きもいただきました。
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また今回の企画は、【夢煙幻燈機】を運営されている夢煙夏士さんや、NPO法人J-heritageの協力があったようです。夢煙夏士さんから、義捐金が手渡されました。
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さらに、寄せ書きの色紙も贈呈されました。
今回、初めての経験だったけど・・・今後も撮影に参加できたら、いいかなと思いました。